GCA株式会社〜Professionals for Owners  オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜

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経済・ビジネス

グループ全体では7割が事業承継案件。
しかし、国内では少ない……そのワケとは?

昨今、国内では事業承継案件が急増しています。御社ではどのように取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

代表の写真「GCAは大企業関連のM&A専門だ」というイメージがあるようですが、決してそうではありません。国内の事業承継案件が少ないのは事実ですが、グローバル展開するグループ会社の案件を含めると、実はGCAで扱う案件の全体の7割は事業承継案件です。海外のオーナー企業の売り手側のアドバイザーを務めるケースが多く、依頼を受けると世界10カ国15拠点間で連携して情報を共有し、グローバルオファリングを行います。

先ほど申し上げたように、昨年、イスラエルとヨーロッパの有力なアドバイザリー企業であったAltium社と経営統合したのですが、その結果、大きなシナジーが生まれました。ヨーロッパには強いもののヨーロッパ外にはグローバルネットワークがなかったAltiumと、中国、アジア、アメリカ、日本に強いもののヨーロッパは手薄だったGCAが統合したことで、互いの弱点を補い合い、受注率が5割から8割にアップしたのです。例えば、昨年はブライリングという高級ブランド時計メーカーの事業承継案件をアドバイスしました。

なぜ、国内の案件は少ないのでしょうか?

日本の事業承継のマーケットは未成熟で、手法がグローバルスタンダードではないからです。世界に目を向けると、M&Aの約9割が事業承継で、売り手・買い手いずれか片側のアドバイザーにつくのが基本です。国によっては両方からフィーを取ることを禁止しているところもあります。一方、国内では売り手と買い手を結びつけて両方からフィーを取る仲介型が一般的です。私は、日本にも片側アドバイザー型が浸透するベきだし、いずれはそうなると思っています。

だからといって、仲介型ビジネスを否定するつもりはありません。日本にM&Aセンター様が事業承継というマーケットを作り、後継者がいなくても廃業しなくて良いという選択肢を生み出したという点で、大きな社会的意義があったと評価しています。ただ、やはり片側のアドバイザーを務めることによるメリットは売り手にとって大きいのです。まだ国内マーケットが成熟していないので、時期が来たときに積極的に進出していきたい、そう考えています。

片側のアドバイザーを務めるメリットはどこにあるのですか?

とくにメリットが顕著なのは、売り手が未上場企業のケースです。企業を売却するためには、魅力ある企業、優良な企業であることを明確にする必要があり、そのために不可欠なのが、公正な決算書です。一般的に、未上場企業の多くは決算を明確に意識することはありません。時間とお金と手間をかけてきちんとした決算書を作り、デューデリジェンスに耐えられる状態にする必要があるのです。