株式会社ナック 〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち~
どこまでいけるのか。かもめのジョナサンのように追求したい
コングロマリットがいいと分かっても、すぐには大きくやれないですよね?
日本に帰ってきて、すぐにいろんな仕事をやってみました。
お金も人材も持っていないわけですから、普通はやらないですよね。
でも、私はすぐにやった。
女房の実家の田んぼや畑を担保にしてもらって、お金を借りました。
それはもう、家族の風当たりは強かった(笑)。
もちろん、お金も人材も限られているので少しずつ、一つずつやりました。
失敗した事業もあるし、成功して現在も大きく展開できている事業もあります。
ダスキンが今120億円規模ですから、もしもダスキンしかやっていなかったら今も120億円のままでしょう。
複合的に展開したことで約8倍の950億円企業にまで成長しましたから、コングロマリットを教わったことは大きいですよね。
ここまで事業が大きくなったら、もういいかなとは思いませんでしたか?
それは思わないですね。
どこまで行けるんだろうと、今も思っています。
リチャード・バックの小説で「かもめのジョナサン」という有名な本がありました。
ジョナサンはどこまで飛ぶことができるのか次々に挑戦して、他のカモメが飛ぶことができないヒマラヤ山脈まで飛べるようになります。
私は若いときからこの小説が大好きで、どこまで潜れるのか、どこまで飛べるのかという挑戦を今もずっと続けています。
だから、上場したらとか、売上が1000億円を超えたらといったゴールはないですよね。
それは過程でしかない。
人生まだまだ半ばです、140歳まで生きるつもりですから(笑)。
新しい事業を始めるときに、基準にしていることはあるのでしょうか?
時代の潮流は経営に反映していますね。
たとえば、コインランドリー事業を行う株式会社センカクという名前は、先進テクノロジーの「セン」、革新の「カク」が由来というのが表向きの表現です。
現在は少子化の問題がありますから、人手をかけないビジネスがいいと思います。
将来的にさらに人手不足が深刻化することは明らかです。
コインランドリーはお店をつくってしまえば、あとは人手がかかりません。
下請けを手配するスーパーバイザーだけいればいい。
コーヒーをいれたり接客したりといった、現場の人間が必要ないわけですから。
ダスキンは掃除の手間を省くお掃除革命を起こすというコンセプトで成功しましたが、センカクは洗濯革命を起こすことを目指しています。
主婦の三大労働といわれる炊事・掃除・洗濯、これを楽にしてあげることで事業も成長していくと考えたんです。
住宅事業のレオハウスは「日本の住宅は高すぎる」をキャッチコピーにして成功しています。
どの事業でも革命的な展開をしたいと思っています。
異業種を組み合わせて展開していても、事業の軸はぶれていないわけですね。
ナックは消費者と直接的な接点を多く持っているという強みがありますから、事業領域が違っても、これを生かして消費者の目線に立ったサービス・商品を提供できています。
今は消費者の生活も変化しているので、経営環境も大きく変わり続けています。
そうしたときに、成長事業と安定事業を持っているコングロマリットのメリットは大きいですよね。
一つの事業が伸び悩んだとしても、会社全体として揺らぎませんから。