WWF ジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン) 〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち〜
“人と自然が調和して生きられる未来をめざす”
野生動物の保護活動にはじまり、今や地球規模の環境保全に活動の範囲を広げているWWF。
地球上の生物多様性を守り、人と自然が調和して生きることのできる未来を目指しています。
WWFが掲げるミッションや具体的な取り組み、さらに活動の支援方法について、
(公財)WWFジャパン コミュニケーションズ&マーケティング室 シニアアドバイザーの石原明子さんに伺いました。
聞き手:芦田 敏之(税理士法人ネイチャー国際資産税 代表)
パンダのロゴで広く知られるWWFですが、団体の概要をお聞かせください。
WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)は、世界100カ国以上で活動している環境保全団体です。
「人と自然が調和して生きられる未来をめざす」をミッションに掲げ、ミッション達成のために、「世界の生物多様性を守る」、「再生可能な自然資源の持続可能な利用が確実に行われるようにする」、「環境汚染と浪費的な消費の削減を進める」の3つに取り組んでいます。
ロゴなどから、「WWF=野生動物の保護」というイメージが強いかもしれません。
確かに、1961年に設立された当時は、絶滅の恐れのある野生動物の保護活動からスタートしました。
しかしその後、野生動物を守るためには自然環境を保全する必要がある、さらに、そこに暮らす人間の在り方まで含めて考えることが重要だ、との考えから活動範囲が次第に広がり、現在では温暖化や様々な資源の乱獲などといった地球規模の環境問題への取り組みまで幅広く行なっています。
私たちの活動をわかりやすく表すのが、「One Planet Life Style」という言葉です。人間ばかりではない、すべての生物が、一つの地球の上で、豊かに幸せにすることを目指しているのです。
具体的には、どのような活動をされているのでしょうか。
WWFでは、「地球温暖化を防ぐ」、「持続可能な社会を創る」、「野生生物を守る」、「森や海を守る」の4つの分野で活動を展開しています。
特に「野生生物を守る」分野の活動の例としては、象牙をはじめ日本が輸入や消費を通じて関係している、世界の野生生物を守る活動があります。
違法取引の調査や、それを止めるための提言活動などです。
また、希少な魚類や鳥類をはじめとする、日本の野生生物の保全活動にも取り組んでいます。
「森や海を守る」の分野では、沖縄県の石垣島にサンゴ礁保護研究センターを設置し、地元の皆さんと協力して、世界的にも貴重な沖縄のサンゴ礁の調査や保全活動にあたっています。
「持続可能な社会を創る」の分野としては、日本が紙や木材、パーム油の消費を通じてかかわっている、インドネシア・スマトラ島の森林を、消費や流通の改善を踏まえながら保全するプロジェクトに長く携わっています。
「地球温暖化を防ぐ」については、国連会議への参加や、国内政策への提言、また企業への温室効果ガスの削減の働きかけなどが主な取り組みです。
さらに、「サステナブル・シーフード・ウィーク」などのイベントの開催、子ども向けのワークショップの開催、小学校への出張授業の実施といった一般の方に向けた啓発活動も広く行なっています。
いずれにおいても、私たちだけでできることには限りがあります。
WWFでは、地球規模のアクションを起こすために、単独で活動するのではなく外部の方々と協力して取り組むことを旨としています。