シンワワイズホールディングス〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち 〜
ミャンマーでマイクロファイナンス事業をスタート。
貧困層の自立を支援し、収益以外の「付加価値」を得る
ミャンマーでのソーシャルビジネスとは、どのようなものなのでしょうか。
ミャンマーでは国民の約70%が貧困層で、貧困のループから抜け出せずに貧困が貧困を生んでいます。
そこで、貧しい人々に小口の融資を行うマイクロファイナンス事業を立ち上げました。
マイクロファイナンスとしては、バングラディシュのグラミン銀行の事業モデルをそのまま踏襲して、融資を受けた人々がその資金を事業運営に役立て、現金収入を得ることで自立し、貧困から脱出する、というサイクルを目指しています。
もともと、私たちに声をかけてくださった富裕層の方が参画するNPO法人が、現地で20年にわたり農業支援活動を展開する中で、より広範囲なマイクロファイナンスがミャンマーの人々を助けることになると確信し、NPO法人ではなく、民間企業のもとで、それを拡充しようということで、私たちが本格的に着手することになったのです。
数年の準備期間を得て、2017年9月に事業がスタートしました。
2017年末までには、計1000人、2018年3月末までには約4000人近い貧困層の人々に融資を行いました。
融資というと紙切れ一枚でお金の貸し借りをする…という人間味のないイメージがありますが、マイクロファイナンス事業に携わって実感したのは、血の通ったビジネスだということ。
ミャンマーではまだ電子マネーなどが普及していないので、お金は現地通貨のチャットの札束で渡すんです。
そして、そのお金を使って、グループの中で協力し合って事業を進め、みんなが生計を立てていけるように工夫する。
その人と人とのふれあいが、なんとも言えずいいなと感じました。
マイクロファイナンスというと、デフォルト(債務不履行)が出るのでは…という声も聞かれるのですが、そうならないよう、5人から10人の組を作って助け合う相互保証制度をとっています。
金利は約30%で数字としては高く見えますが、ミャンマーのインフレは年10%ほどの勢いで進んでいますし、「もの」が足りていないミャンマーでは「もの」があればどんどん売れますので、決して高い数字ではありません。
この事業で私たちが求めているのは、収益性だけを追求するということではなく、この事業の付加価値の部分で、ソーシャルビジネスとしての現地コミュニティに貢献を目指しています。
求めていらっしゃる「付加価値」とは、どのようなものなのでしょうか。
ミャンマーとのつながりです。
ミャンマーは、国としてこれから、どんどん成長していくでしょう。
そうすると、ミャンマーのアート市場も伸びていくでしょう。また、日本は2025年に団塊の世代が後期高齢期に入り、さらなる少子高齢化時代に突入します。
そうなったときに何が必要か、足りないかというと、人手です。機械化が進んでも、どうしても人が手でやらなければならない作業もあります。
しかし、もう日本人の労働力だけではどうにもなりません。
日本以外の国の力を借りるとなったときに、ミャンマーの方に労働力として来てもらえるよう、ミャンマーと日本とがお互いを尊重し合える良い関係性を作っておくことも大事だと思うのです。