シンワワイズホールディングス〜Professionals for Owners  オーナーを支えるプロフェッショナルたち 〜

シンワワイズホールディングス〜Professionals for Owners オーナーを支えるプロフェッショナルたち 〜

文化

オークションの普及・定着を目指し、バブル期に創業。
リーマンショックを経験し、「第2の創業」へ。

日本における美術品オークションの先駆け的存在である、シンワオークション。
絵画、彫刻、陶芸、工芸品などの国内外のアート作品をはじめ、
ワイン、宝石、コインなど、さまざまアイテムのオークションを開催してきました。
クローズドだった美術品取引を公の場で売買できるオープンなものにした功績は大きく、
近年は、アートやオークション以外の分野でも広く事業を展開しています。
幅広い事業内容を中心に、シンワワイズホールディングスの倉田陽一郎代表取締役社長に伺いました。
代表の写真
聞き手:芦田 敏之(税理士法人ネイチャー国際資産税 代表)

美術品のオークションを日本に浸透させた御社ですが、創業期についてお聞かせください。

代表の写真シンワアートオークション(2017年12月1日にシンワオークションに改称)は1989年に創業し、翌90年に第1回のオークションを開催しました。
当時、国内の美術品の流通は百貨店と画廊が中心で、一般人が入り込めないクローズドな世界でした。
そこで、欧米では一般的なオークションを日本でも普及・定着させようと、5人の画商が2割ずつ資金を出し合って、シンワアートオークションを設立しました。

当時はバブルのピークだったので、落札価格が数十億円というアイテムもあったのですが、バブルの崩壊で価格は転がるように落ちていきました。
ただ、公開の場で価格を決めるというオークションの公正さが次第に評価され、美術品取引全体の中でのシェアとしては伸びていきました。

倉田社長はいつから参画されたのでしょうか。

私はもともとアートのコレクターだったんです。
美術品が好きで、学生時代から画廊などを見て回っていました。
美術関係ではなく、英国系の投資銀行に就職し、オランダのプライベートバンクを経て、30歳で独立し、自ら設立した投資顧問会社の顧客の一つがシンワアートオークションになりました。
当時日本にはない業態でしたが、素晴らしい将来の可能性を感じ、「世界に冠たるオークション会社に成長する潜在力がある。株式を上場して積極展開すべきだ」と提案したら、「じゃあお前がやれ」と言われて…。
気づいた時には、2001年に社長になっていました。

有言実行で2005年には上場し、絵画だけでなく陶芸、ジュエリー、バック、時計、盆栽、コイン…とさまざまなアイテムのオークションを展開していきました。
うまくいったものもあれば挫折したものもありますが、とにかく挑戦を続けていました。上場したこともあり、言ってみれば少し気持ちが浮ついていたのでしょうか、2008年のリーマンショックで2期連続の赤字に転落してしまいました。
事業を縮小せざるを得ず、断腸の思いで仲間を手放したこともあります。

その後も日本のアート作品の値段は、デフレの影響で下がり続け、市場自体が縮小し、事業者としては非常に厳しい状況が続いていました。
そこで、創業25周年を「第2の創業」と位置づけ、新たな飛躍を目指して2期10年間にわたる中期経営計画を策定しました。
そして、アート以外の事業を展開する戦略子会社エーペック株式会社(2017年12月1日にシンワアルテックス株式会社に改称)を設立し、2012年より新たな分野への進出を始めたのです。